海上保安学校 海上保安学校

本項は 「海上保安庁パーフェクトガイド」掲載用として整理したものをもとに掲載しており、更新なき場合、2005年3月のデータにもとずいています。
また、掲載出版内容と異なる部分も多々あります。
新規作成日:2005年5月7日以前を最終更新日としているものは、準備資料のまま内容の更新がないことを示しています。


海上保安学校

海上保安学校は、海上保安庁の職員として採用された学生に対し、海上保安業務に必要な学術や技能を教授し、併せて心身の錬成を図ることを目的に設置された、海上保安庁の教育機関として設置されている。
現在、本科、研修科がおかれている。
教育方針としては、海上保安庁の基本的な業務の実践に即応できる職員の養成を目指しており、また、強靭な体力・気力の錬成のほか公正な公務員としての人格・マナーの習得にも力を入れている。
本校は、京都府北部に位置する舞鶴市にあり、一般職員として採用されたものに対する本科の教育を行っている。
卒業後の業務に応じ、4課程3コースが設けられており、実践的な授業で各分野のエキスパートを育てており、教育期間は課程により、1年と2年に分かれている。

船舶運航システム課程(1年)、航空課程(1年)、情報システム過程(2年)、海洋科学課程(1年)の4過程があり、船舶運航システム課程には、航海コース、機関コース、主計コースの3コースがある。
船舶運航システム課程は、船舶乗組員の養成過程で、航海コースは、文字通り航海士を養成するコースであり、機関コースは機関士、主計コースは主計士を養成する。
航空課程は、航空機の運行要員である、飛行士を養成する。
情報システム過程は、通信士、技術士を養成する。
海洋科学課程は、海洋情報業務職員の養成過程である。

卒業後の進路
海上保安学校卒業生は三等海上保安士として現場に配置される。
船舶運航システム課程の卒業者は、航海士補、機関士補、主計士補として、巡視船艇等に乗り込み、船舶運航に携わるほか、警備救難業務にもつく。
情報システム課程の卒業者は、通信士補として、巡視船艇等に乗り込み、船舶運航に携わるほか、係員として航行援助センター等の海上交通業務につく。
海洋科学課程の卒業者は、係員として海洋情報業務につく。
航空課程の卒業者は、航空基地飛行員となりパイロットとしての専門教育を受けたのち、現場に配置される。

門司分校では、既に海技資格等を有する新規採用の職員に対して、海上保安業務に必要な、海難救助や犯罪捜査などの専門教育を行っている。
保有資格により、航海科研修生、機関科研修生、通信科研修生、飛行科研修生として、閨秀を受け、卒業後は、既に有していた海技資格等により、航海士補、機関士補、主計士補として、巡視船艇等に乗り込み、船舶運航に携わったり、航空基地通信員、飛行員として配置につくほか、警備救難業務にもつく。
階級は、二等海上保安士または三等海上保安士である。


宮城分校では、航空職員の要請を行なっており、回転翼基礎課程などのヘリコプターパイロットの教育や、吊り上げ救助などの特殊技術を教育する特殊業務飛行課程などの専門教育を行っている。




[以下の文章は紙面都合で順次省略可]


各過程紹介

船舶運航システム課程
航海コース
巡視船等の運航を担当する海上保安官(航海士)を育てるコース。
船舶運航に必要な知識を中心に、警備救難業務や武道などを学ぶ。
★カリキュラム
専門科目:航海、運用、海事法、海象・気象、通信運用
全課程共通科目: 基礎教養(法学概要、国際法、海上保安業務概要等)、英語(T)、情報処理(T)、小型船舶操縦、体育・基本動作、乗船実習、統合実習
船舶運航システム課程、航空課程、情報システム課程共通科目: 刑法、刑事訴訟法、海上警察、海上環境、航行安全、救難防災、主計、訓練、英語(U)
★取得資格
◎五級海技士(航海)筆記試験
○四級海技士(航海)筆記試験
○第一級海上特殊無線技士
○第二級陸上特殊無線技士
○一級小型船舶操縦士

機関コース
巡視船等の機関運転・整備を担当する海上保安官(機関士)を育てるコース。
船舶の機関、電気機器等に関する知識を中心に、警備救難業務や武道などを学ぶ。
★カリキュラム
専門科目:機関、電気機器、海事法、通信運用
全課程共通科目: 基礎教養(法学概要、国際法、海上保安業務概要等)、英語(T)、情報処理(T)、小型船舶操縦、体育・基本動作、乗船実習、統合実習
船舶運航システム課程、航空課程、情報システム課程共通科目: 刑法、刑事訴訟法、海上警察、海上環境、航行安全、救難防災、主計、訓練、英語(U)
★取得資格
◎内燃機関五級海技士(機関)筆記試験
○内燃機関四級海技士(機関)筆記試験
○第一級海上特殊無線技士
○第二級陸上特殊無線技士
○一級小型船舶操縦士

主計コース
巡視船等において経理や調理を担当する海上保安官(主計士)を育てるコース。
調理技術、総務、経理補給、船舶衛生等を中心に、警備救難業務や武道などを学ぶ。
★カリキュラム
専門科目:主計(総務・経理補給・船舶衛生)、調理、通信運用
全課程共通科目: 基礎教養(法学概要、国際法、海上保安業務概要等)、英語(T)、情報処理(T)、小型船舶操縦、体育・基本動作、乗船実習、統合実習
船舶運航システム課程、航空課程、情報システム課程共通科目: 刑法、刑事訴訟法、海上警察、海上環境、航行安全、救難防災、主計、訓練、英語(U)
★取得資格
△船舶料理士
△衛生管理者(船員法による)
○第一級海上特殊無線技士
○第二級陸上特殊無線技士
○一級小型船舶操縦士

航空課程
海上保安庁の航空機の運航を担当する海上保安官(飛行士)になるための基礎教養を習得する課程。
飛行士となるために必要な数学、物理、英語等を中心に、警備救難業務や武道などを学ぶ。
ここでの基礎教養を修了した後は、航空基地飛行員となり、飛行機の要員は、海上自衛隊の研修(2.5年)、ヘリコプターの要員は、海上保安学校宮城分校(1.5年)の実用機による研修に進む。
★カリキュラム
専門科目:数学、物理、海象・気象、船舶概要、航空通信運用海上航空業務
全課程共通科目: 基礎教養(法学概要、国際法、海上保安業務概要等)、英語(T)、情報処理(T)、小型船舶操縦、体育・基本動作、乗船実習、統合実習
船舶運航システム課程、航空課程、情報システム課程共通科目: 刑法、刑事訴訟法、海上警察、海上環境、航行安全、救難防災、主計、訓練、英語(U)
★取得資格
◎航空特殊無線技士
○航空無線通信士
○一級小型船舶操縦士

情報システム課程
通信機器の運用・管理と船舶の安全航行に必要な情報を提供する航行援助システムの管理運営を行う海上保安官を育てる課程。
通信機器及び航行援助システムの運用・保守に必要な知識、技能を学ぶとともに、警備救難業務や武道などを学ぶ。
★カリキュラム
専門科目:数学、物理、電気通信、情報通信、情報処理(U)、通信実験、航行援助システム、海上交通、電気機器
全課程共通科目: 基礎教養(法学概要、国際法、海上保安業務概要等)、英語(T)、情報処理(T)、小型船舶操縦、体育・基本動作、乗船実習、統合実習
船舶運航システム課程、航空課程、情報システム課程共通科目: 刑法、刑事訴訟法、海上警察、海上環境、航行安全、救難防災、主計、訓練、英語(U)
★取得資格
◎第三級海上無線通信士
◎航空無線通信士
◎第二級陸上特殊無線技士
○第二級陸上無線技術士
○一級小型船舶操縦士

海洋科学課程
航海の安全を確保するために必要なさまざまな海洋データを収集・解析し、提供する海上保安官を育てる課程です。
海洋の科学的資料の収集、解析に必要な知識、技能を学ぶ。
★カリキュラム
専門科目:数学、基礎科学、海上安全業務、情報処理(U)、海象、気象、天文、水路業務管理、測量、図誌・印刷、通信運用
全課程共通科目: 基礎教養(法学概要、国際法、海上保安業務概要等)、英語(T)、情報処理(T)、小型船舶操縦、体育・基本動作、乗船実習、統合実習
★取得資格
◎測量士補
△測量士
○第一級海上特殊無線技士
○第二級陸上特殊無線技士
○一級小型船舶操縦士

凡例) 取得資格:◎・・・卒業により取得、○・・・在学中の受験により取得、△・・・卒業後一定の条件を満たして取得


p0294006. p0294012. p0294013. p0294014.
p0294004.

戻る TOPに戻る

新規作成日:2005年5月7日/最終更新日:2004年12月14日