Jpn 砕氷艦 AGB5003 しらせ 型 JpnE



Dcim4839/DSC_0416.

補助艦艇
AUXILIARY SHIP

砕氷艦
ICE BREAKER
南極観測の縁の下の力持ち

世界屈指の大型砕氷艦
砕氷艦 AGB5003 12500トン型 (AGB5003 12500トン型)
初代の海上保安庁巡視船「宗谷」、2代目の海上自衛隊砕氷艦「ふじ」、3代目の海上自衛隊砕氷艦「しらせ」、の後継として建造がされた、南極観測輸送支援用の砕氷艦。これらの艦船を南極観測船と呼ぶのは、あくまで俗称であり、観測資材の輸送が本務で、現地での観測業務は副次的なものである。
外観上は、艦橋に寄せられた並列の煙突が印象的で、また、通信技術の長足な進歩の結果、大型のアンテナやレーダードームなどが姿を消している。
推進方式はディーゼル・エレクトロニックであるが、AGB5002「しらせ」の3軸から、2軸に変更された。
搭載するヘリコプターは、輸送用2機、観測用1機が、大型の格納庫に収容される。
建造費約399億円で、平成16年度の文部科学省(旧 文部省)予算で建造される予定であったが、緊縮財政の折、先行調査費程度にとどまったため、約1年遅れることとなった。
また、搭載用の新型ヘリコプター CH-101(原形はEH-101)も文部科学省(旧 文部省)予算で要求されている。
AGB5002「しらせ」の25年の想定耐用年数が切れる、2007年度までの完成を目指していたが、04年度予算案では、文科省が要求した後継南極観測船の設計・建造費約55億円は全く認められず、ゼロ査定となったようだ。
財務省では「耐用年数以上に使用される船は珍しくない。修理が必要になった時点で対応する」としていた。
その後、2004年度予算の大臣復活折衝で、原案でゼロ査定だった南極観測船「しらせ」の後継船建造関連で30億円の復活を認められたものの、就役は平成21年5月に完工の予定で、平成21年の51次観測が本艦の処女航海となる。
このため「しらせ」退役後の50次では、文部科学省が豪州から砕氷艦をチャーターし、観測隊を南極に送り込むようだ。

極地仕様の搭載ヘリコプターも、本艦就役時点には、S61が総飛行時間数が限度を迎えるため、後継船に合わせて新しく調達された。
後継船は、南極の環境保護を考えて、油漏れ防止のために燃料タンク部を二重船底にするほか、有害な船体塗料を使わずに建造する。
AGB5002「しらせ」では、溜めて持ち帰っていた便を浄化処理する装置も設ける。
また、12フィートコンテナ56個を甲板上に積載し、荷役時間も短縮される。
喫水線に近い艦首部の両舷には融雪用散水装置の孔が並べられ、氷上に積もった雪を溶かすことによってチャージング(連続砕氷)時の威力を増す。

船名は公募により決められるはずであったが、地元の横槍で規定が曲げられ、「しらせ」が引き継がれている。
新南極観測船の船名に見るルール無視の体質

AGB とは Auxiliary Ice Breaker の略号。

同型艦
艦種 記号・番号 艦名 竣工/編入 配属 定係港 建造所 計画年度 退役 備考

基準排水量:12650t
主要寸法 全長138m×幅28.0m×深さ15.9m
主機:ディーゼル4基, 推進電動機4基2軸, 出力:30000PS
速力:約15kt(巡航) 約19.5kt(最大)
船型:長船首楼型, 乗員:約152名
輸送能力:観測隊員80名、物資1100t(うち燃料600t)
主要装備:ヘリコプター:3機
AGB5003「しらせ」機関配置
4基2軸
Pict_1499.

AGB5003「しらせ」格納庫
Pict_1501.



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新規作成日:2003年8月21日/最終更新日:2009年5月26日