海図の使い方
海図の使い方
実際の、船舶運航に当たっては、本資料に寄らず、海上保安庁指定のものをご利用下さい。
海図のコンバス図
真上は真北を表し、外側のメモリが海図の方位である。
図中(ア)は磁北を表し、偏位と計測年が記載されていて、内側のメモリが磁方位である。
灯略記
灯略記「Oc R 1Os」の表す灯質と、灯色
灯質
・不動光(F)
・単せん光(Fl)
・群せん光(Fl(3))
・等明暗光(Iso)
・単明暗光(Oc)
・群明暗光(Oc(2))
・互光(Al.WR)
灯質
・赤色(R)
・緑色(G)
間隔
1Os は10秒
日本版の海図に記載されている数値単位
・灯光の光達距離 : 浬
・山の高さ : メートル
・灯台の灯高 : メートル
・水深 : メートル
海図に記載されている山の高さ及び水深の基準面
・山の高さ、燈の高さ、しまの高さの基準面は平均水面である。
・水深の基準面は最低水面(略最低低潮面)である。
・最高水面(略最高高潮面)は、岸線である。
・干出は、最低水面(略最低低潮面)と、最低水面(略最低低潮面)の間のものである。
・洗岩は最低水面(略最低低潮面)に洗う。
・暗礁は最低水面(略最低低潮面)未満である。
海図図式
(1)洗岩、(2)暗岩、(3)沈船、(4)
海図記載事項
- 底質: 船の錨泊に必要なため、大縮尺の海図には一定間隔で底質が表記されています。錨泊に最適な底質は砂もしくは泥で岩礁地帯は不向きです。
- 灯台、浮標: 灯台、ブイ、灯標には灯質(何秒間隔で点滅するかなど)、灯高そして光の到達距離も記されています。
- 潮汐、海流: 長期間蓄積された海流データを利用した海流情報、潮汐に伴って発生する潮流についての記述がある海図もあります。
- 海底危険物: 海底危険物とは沈船、魚礁、海底ケーブル、海底パイプラインなど船の航行や錨泊にあたって注意が必要なものです。
- 地物、陸上構造物: 山岳の高さや海岸線の形状も詳細に描かれており、海上からの目標となる高層ビルや煙突、タワーについてはその高さも記載されています。また航行に影響のある橋や送電線については最低海面高さが記されています。
- 水深: 海図の情報で最も重要なのが水深です。暗礁や沈船などの危険地帯は特に特殊な記号と色分けにより注意喚起されています。水深の単位にはメートルのほかにフィート(足の長さを基準。1フィート=30.48センチ)、ファゾム(身長を基準。1ファゾム=6フィート)が使われるため、注意が必要です。
- 経緯度線: 緯度、経度線のほかメルカトル図法の場合、基準緯度線が明記されます。使用測地座標系も表示されます(総図などの小縮尺海図にはない場合もあります)。
- 磁気偏差: 磁気コンパスを指北させる地球の地磁気は場所によって異なります。地磁気の水平分力を偏差もしくは偏角といい、海図情報の一つとして記載されています。また地磁気は日々変化するため偏差の年間変化量も海図上に記されます。
⇒ 海図
⇒ 航海の雑学
⇒ 灯浮標
新規作成日:2003年2月16日/最終更新日:2004年2月24日