艦船写真の写し方(マクロ撮影)

マクロ撮影
マクロ撮影、マイクロ撮影、あるいは接写、クローズアップとも呼ばれる。

通常のレンズでは、その構造上、ある程度被写体から離れないとピントが合わない。(最短撮影距離)
これを改善して、至近距離から撮影を可能とするもので、詳細部分の拡大が可能となる。

これに使用する機材は、マクロレンズ、クローズアップレンズ、クローズアップリングなどがある。


一般に、大きく写す場合は、望遠レンズによってメイン部分を切りとるのだが、被写体まで30cm以下と言う至近距離に対しては、マクロ撮影を行うことになる。

通常の撮影では、ズームレンズの画角はズーミングによって切り取る範囲を調整するが、マクロ撮影の場合には、撮影距離を調整して、画角を調整することになる。
また、マクロ倍率を変更して、画角を調整することもできる。

被写界深度が極端に浅くなるため、絞りは絞ったほうが良いようだ。

撮影倍率の数値として「等倍」という表現がある。
これは、被写体の実寸が、フイルム面に実寸で写しこめることを言う。
従って、60mmのレンズであろうが、100mmのレンズであろうが、最短撮影距離に差が出るだけで、等倍における撮影では、同じ大きさに写ることになる。
また、ニコンのデジカメの場合、CCDサイズがフイルムに対して1/1.5(画角約1.5倍)であるが、CCD面における寸法は同一である。
もちろん、フイルムに対してCCD面が狭いため、周囲がトリミングされ、同一サイズでプリントした場合、1/1.5倍と等価に見えることになる。


撮影倍率の比較
50mm (50mm)
Dcim1872/DSC_7916.

50mm + クローズアップレンズ ケンコー CLOSE-UP No.1 (50mm)
右はピント位置無限大のため、距離がある分画角が広くなる。
Dcim1872/DSC_7917. Dcim1872/DSC_7918.

50mm + ユニプラスチューブ25 (50mm)
右はピント位置無限大のため、距離がある分画角が広くなる。
Dcim1872/DSC_7920. Dcim1872/DSC_7919.

マクロレンズ 実地試験
トキナー AF287 28-70mm/F2.8-4.5 にはマクロ機能がついているので試してみた。
画角による切り取り範囲が約二倍となっているほか、撮影距離が短くなっているため、被写界深度が極めて浅くなっていることがわかる。
Dcim1612/DSC_8699. Dcim1612/DSC_8698. Dcim1612/DSC_8697.
D70, AF287 28-70mm/F2.8-4.5, ASA200, f8,
左から、70mmレンジの最短合焦(約70cm)、マクロ域(約45cm)、マクロ域の最短合焦(約35cm)

使用レンズ トキナー AF287 28-70mm/F2.8-4.5
94.10.22 F601QDと同時に導入。現在は、軽荷装備・予備用。
最短撮影距離0.7m
マクロ機能は、70mmレンジにおいて、最短撮影距離を約半分とすることができる
マクロ撮影時は、AFが効かないのでマニュアルによるピンとあわせとなる。


マクロレンズ 実地試験
ニコンサロンで、Ai AF Micro Nikkor 105mm F2.8D を試してみた。
Ai AF Micro Nikkor 105mm F2.8D は、本格マクロレンズで、無限遠から撮影倍率等倍の近接撮影が可能で、通常の(近)望遠域から、約30センチの接近撮影と、幅広い。
尚、最短撮影距離は、フイルム面から被写体への距離を言う。
Dcim2601/DSC_0007. Dcim2601/DSC_0004. Dcim2601/DSC_0005. Dcim2601/DSC_0006.
D200, ASA200, f8,
右端は最短撮影距離域


クローズアップレンズ 実地試験
Dcim1871/DSC_7892. Dcim1871/DSC_7890.
D70, ニコン 50mm/F1.8, ASA200, f8,
右がクローズアップレンズ使用。

使用レンズ ニコン 50mm/F1.8、最短撮影距離0.45m
クローズアップレンズ ケンコー CLOSE-UP No.1 撮影距離33cm〜100cm 52mm


Dcim1872/DSC_7916. Dcim1872/DSC_7917. Dcim1872/DSC_7918.
D70, ニコン 50mm/F1.8, ASA200, f8,
左は未使用、右はピント位置無限大のため、距離がある分画角が広くなる。

使用レンズ ニコン 50mm/F1.8、最短撮影距離0.45m
クローズアップレンズ ケンコー CLOSE-UP No.1 撮影距離33cm〜100cm 52mm


クローズアップリング 実地試験
ケンコー ユニプラスチューブ25
2005.6.21買おうと思ったら、D100, D70不対応とか。
が、店頭で試すと(私の常用するAモードでは)動作しているようだ。
メーカーに確認すると、(Pモード、Sモードでの)自動絞込みに対応できていないらしい。
そのため、姉妹品の、デジタル接写リングセットは、この対応コストが反映し、ニコン用は価格が上がったらしい。

と言うことで、2005.6.23調達。
最小撮影距離が縮小されることによりクローズアップされる仕組みのため、望遠レンズの方が近寄れない分、画角が広くなると言う、逆転現象が見られる。


18-70mm (70mm , 50mm)
Dcim1872/DSC_7913. Dcim1872/DSC_7914.

18-70mm + ユニプラスチューブ25 (70mm , 50mm)
50mm域では、被写体がレンズ本体の影になって、内臓スピードライトが当たっていない。
50mmより広角域では、被写体にレンズ前面が接触するまでの範囲ではピントが合わない。
Dcim1872/DSC_7911. Dcim1872/DSC_7912.

28-80mm (80mm)
左は、被写体の下半分がレンズフードの影になって、内臓スピードライトが当たっていない。
Dcim1872/DSC_7902. Dcim1872/DSC_7903.

28-80mm + ユニプラスチューブ25 (80mm , 50mm)
80mm域では、被写体がレンズ本体の影になって、内臓スピードライトが当たっていない。
Dcim1872/DSC_7904. Dcim1872/DSC_7905.

80-200mm + ユニプラスチューブ25 (200mm)
Dcim1872/DSC_7915.

80-200mm + ユニプラスチューブ25 (200mm , 135mm , 105mm , 80mm , 80mm)
Dcim1872/DSC_7906. Dcim1872/DSC_7907. Dcim1872/DSC_7908. Dcim1872/DSC_7909. Dcim1872/DSC_7910.

50mm (50mm)
Dcim1872/DSC_7916.

50mm + ユニプラスチューブ25 (50mm)
右はピント位置無限大のため、距離がある分画角が広くなる。
Dcim1872/DSC_7920. Dcim1872/DSC_7919.

クローズアップ 実地試験

ニコン 50mm/F1.8
クローズアップレンズ ケンコー CLOSE-UP No.1 撮影距離約33cm〜100cm 52mm
クローズアップレンズ ニコン Close-up.c No.2 撮影距離約20cm〜33cm? 52mm
接写リング ケンコー ユニプラスチューブ25
基準素材はA5

/ 50mm/F1.8 単体 Close-up No.1 Close-up No.2 Close-up No.1+2 ユニプラス25 ユニプラス25 + Close-up No.1 ユニプラス25 + Close-up No.2 ユニプラス25 + Close-up No.1+2
最短 Dcim1878/DSC_8436. Dcim1878/DSC_8437. Dcim1878/DSC_8439. Dcim1878/DSC_8441. Dcim1878/DSC_8444. Dcim1878/DSC_8446. Dcim1878/DSC_8448. Dcim1878/DSC_8451.
最遠 - Dcim1878/DSC_8438. Dcim1878/DSC_8440. Dcim1878/DSC_8442. Dcim1878/DSC_8445. Dcim1878/DSC_8447. Dcim1878/DSC_8449. Dcim1878/DSC_8452.


ニコン 50mm/F1.8
クローズアップレンズ ニコン Close-up.c No.2 撮影距離約20cm〜33cm? 52mm
f8 (+1/16FL) f11 (+1/8FL) f16 (+1/4FL) f22 (+1/2FL)
Dcim1878/DSC_8492. Dcim1878/DSC_8491. Dcim1878/DSC_8490. Dcim1878/DSC_8489.


28-80mm 80-200mm 80-200mm
(+クローズアップリング)
Dcim2545/DSC_1890. Dcim2561/DSC_2795. Dcim2561/DSC_2787.
Dcim2545/DSC_1884. Dcim2545/DSC_1900. Dcim2545/DSC_1911.
Dcim2545/DSC_1893. Dcim2545/DSC_1907. Dcim2545/DSC_1925.


レンズ28-80mm(+クローズアップリング)
左からf11, f8, f5.6, f4, f2.8
Dcim2660/DSC_9514. Dcim2660/DSC_9510. Dcim2660/DSC_9511. Dcim2660/DSC_9512. Dcim2660/DSC_9513.
絞りを開けることにより、背景がボケ、被写体が浮き立つ。
ただ、近接撮影においては、被写会深度が極端に浅くなるため、被写体そのものも僅かな前後差でボケが目立つようになる。


虫眼鏡の応用
虫眼鏡をレンズの先端につけると、拡大撮影ができる。
精度は落ちるものの、そこそこの接写ができる。
原理的には、クローズアップレンズと同じである。
Dcim5641/DSC_5003. Dcim5641/DSC_5006.

- ノーマル 虫眼鏡付
通常レンズ Dcim5641/DSC_5004.
(約240mm)
Dcim5641/DSC_5005.
(約135mm)
マクロレンズ Dcim5641/DSC_5007.
(約113mm)
Dcim5641/DSC_5008.
(約90mm)
( )内は、レンズ前面から被写体までの距離


用語


参考
艦船写真の写し方(撮影機材)
艦船写真の写し方(フィルター)
艦船写真の写し方(花の撮影)
艦船写真の写し方(被写界深度)




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新規作成日:2005年3月26日/最終更新日:2010年1月1日