大日本帝国海軍の信号

日本海軍において艦船相互間、見張所、防備衛所、港務部、望楼などの陸上各所間の通信にはいろいろの方法手段がとられていた。
その主なものには、旗旒信号、発光信号、手旗信号、色灯信号、形象信号、無線電信、無線電話、水中信号、特定の規約信号などがあった。
これらの通信方法は、一定の規約を設け、相互がこの規約に精通熟知し、規約を守り実行して、初めて通信の目的を達成できるものである。
では以下に日本海軍で用いられた旗旒信号について述べていこう。

海軍掌信号兵
無線電信、無線電話を除く各種の信号には、海軍大臣が発行する「海軍信号規程」という規約集があった。
海軍信号規程に定めた各種の規約はかなり複雑で、熟知精通には相当の専門知識を必要とした。
しかし海軍兵科将校にはこれを常識化して実用を円滑にすることが要求され、通信を担当する下士官兵には専門の術科専修を終えた者を置く必要があった。
これが信号兵である。
信号兵は、旗旒信号、発光信号、手旗信号、色灯信号、形象信号、見張・信号日誌の記註、航泊日誌の資料記註などに従事することを主任務とし、海軍ではこれを信号の特修兵(掌信号兵)と称していた。
信号術の修得は年若い時代に始めると熱達が早いことから、海軍では、信号兵に当てる水兵には一般の水兵より年少の志願兵を採用し、これを少年水兵と称していた。
海軍掌信号兵には水兵、下士官があり、これを統轄指導するため、軍艦には信号長(信号出身の首席下士官)、掌信号長(信号出身の兵曹長または特務士官)を置き、いずれも航海科に属し航海長の指揮下にあった。
艦船における信号は、航海科の所掌に属するものであったが、日常の当直業務においては当直将校、副直将校の指揮を受げるものであった。



参考
大日本帝国海軍の信号
大日本帝国海軍 旗旒信号
大日本帝国海軍信号旗
国際信号旗
手旗信号
モールス信号
海上自衛隊 速力信号


戻る TOPに戻る

新規作成日:2004年3月11日/最終更新日:2004年3月11日