船の雑学
船型
主に貨物船を想定し、黒い部分が船体で、船橋・上部構造物は青で示しており、マストなどは省略している。
平甲板型
船首楼型
凹甲板型
三島型
船の寸法
船の長さ
全長(Loa):船の舳先〜船尾の端 (建物に入れるならこの長さが必要と言う値)
垂線長:船首の水切部分〜船尾の舵の軸
水線長(WL長):船首の水切部分〜船尾の水切部分 (WLプラモデルの底辺)
船の幅
全幅:船体幅の最大値 (船により、甲板と船体下部と、どちらが大きいか別れるが、一般には安定の為に、甲板より船底の方がやや広い)
@:おもちゃの船のイメージだが、実際はごく最近のステルス艦位しかこのタイプはない。
Aタンブルホームとも言われる。古くはヨーロッパで税金対策から生まれた形。甲板の広さが課税対象なので、積載量を増やす都合から、船体を膨らませている。
B一般の船の形。やや誇張しているが、甲板よりも若干下の方が広くなっているのは、安定性を増す為である。
尚、航空母艦のように飛行甲板が、やたら張り出している場合は、「飛行甲板の幅」「船体幅」と明記される。
深さ:船体部分の、甲板〜船底 (舷側の高さ)
喫水:船体部分の、水切部分〜船底 (水面下の深さ、概ね船底の赤い部分)
全てについて、図面上で、真横なりから投影して計ったとしての寸法で、鉄板の外側です。
また、船は、燃料や荷物の多少により深さが変わりますから、「基準」「満載」「軽荷」などの状態が有ります。また、それぞれ、国や組織、時期によって、規定が異なります。
あと、「幅」と言えば「全幅」を指しますが、「長さ」と言うと、色々です。
一般に「垂線長」を指す場合が7割ですが、確定では有りません。
正しい標記は、補足で「垂線長」「満載時」などと付記するべきですが・・・
また、古くは尺貫法、アメリカはフィート、なので、換算誤差も出ます。
更に、資料によっては、統一の為に、垂線長から推算した値を、あたかも公表値として使用したり、調査段階での行き違いや、伝聞によるものなど、不安定な要素も多々有ります。
船の寸法は、設計書によるもので=設計どおりに出来ますが、実際は出来上がったものは正確には計れません(普通は造船所も計りません)。部分的に丸かったり、出っ張ってたり、大体全長は見通せませんから。全長300mも有ると、季節でも長さは変わります=夏の方が何センチか長い。
搭載機関
- レシプロエンジン
ボイラーで蒸気を作り、それをシリンダに送ってピストンを動かすエンジン。
シリンダが有る事から、ディーゼルエンジンのように見えるが、ボイラーが有るのは、このタイプ。SL(蒸気機関車)も同じ仕組み。
- 蒸気タービン
ボイラーで蒸気を作り、それをタービンに送って軸を動かすエンジン。
高速船や、艦艇で多用される。
- 焼玉機関
簡単な構造らしく、戦時中に多用されている。
- 内燃機関
経済効率を優先される。これも、ピストンを動かす、レシプロです(航空業界でレシプロと言えばこれを指す)。ディーゼルエンジンやガソリンエンジンがこれだが、船の場合は、ディーゼルも重油で動かす。
- ガスタービン
タービンに直接燃料を送り、燃焼させて軸を回す。
ジェットエンジンそのもので、最近の艦艇で多用されている。
新規作成日:1998年10月16日/最終更新日:1998年10月16日