ホーバークラフト / エアクッション艇
ホーバークラフト / エアクッション艇
ホーバークラフト、英文では、HOVER、CRAFT、と書き、英語読みでは、ホバークラフトが正しい。
ホバーとは、ヘリコプターなどでホバリングと呼ばれるように、浮き上がるという意味である。
すなわち、船体を水面から浮き上がらせる船である。
ホバークラフトという名称は、イギリスのブリティッシュ・ホバークラフト社の登録商標で、機構的な呼び方としては、エアクッション艇と呼ぶのが正しい。
ホーバークラフトは、高速気流を水面または地面と艇体との間に送り込んで、その押し上げる力を利用して艇体を持ち上げている。そして飛行機同様、プロペラの力で前に進む。
水は空気に比べて、約1,000倍の密度があるんが、その抵抗をほとんど受けないホーバークラフトは、普通の船に比べて大幅なスピードアップが可能である。
現在就航中の水中翼船のスピードは時速60km程度といわれているが、ホーバークラフトは水中翼船の2〜3倍のスピードが原理的に可能である。
発明者は、イギリスの電気技術者クリストファ・コッカレルという人で、自分のボートのスピードを上げようと、最大の障害となる水の抵抗を減らすためいろいろな工夫をして、ついに船体自体を水面から浮かせることを考えついた。
ホーバークラフトは、船体全体を浮き上がらせる為、多大な浮揚動力を必要とする為、エアクッション原理を活用した発展型として、SES表面効果船というものも開発されている。
ホーバークラフト / エアクッション艇の構造
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スカート
船体下部側面を覆い、空気室を作るもの。
ホーバークラフトを実用化への道に進ませたのが、このスカートである。
これにより効率よく艇体を持ち上げることができると同時に、波や突起からくるショックを和らげるので沼沢、砂浜はもちろん、水上の浮遊物などの影響を受けずに最短距離を走ることができる。
安全対策
横すべり防止と方向転換のため、垂直尾翼のラダー、プロペラの左右逆転によるデファレンシャル・スラストなどが装備され、航走上の安全性が確保されている。
また、緊急の場合には、エンジンを停止すると10秒程度で停船ができるし、悪天候の際のレーダー、万一の場合の救命浮器などが備えられている。
もし、エンジンが停止して空気圧による浮力がなくなっても、安全に艇体を水面上に維持するための浮力タンクが各所に取り付けられているなど、安全には隅々まで配慮されている。
わが国では、主として三井造船により開発製造が行われていた。
現在、大分ホーバーフェリー株式会社により、大分空港−大分港の航路がある。
船名、製造年月、改造年月、活躍年、型名、
ほびー1号、昭和46年 6月、昭和53年 8月、昭和46年〜平成 3年、MV-PP5、
ほびー2号、昭和46年 7月、改造なし、昭和46年〜昭和51年、MV-PP5、
ほびー3号、昭和46年 9月、昭和53年12月、昭和46年〜平成 2年、MV-PP5、
はくちょう3号、昭和45年 6月、昭和55年 2月、昭和51年〜平成 7年、MV-PP5、
エンゼル2号、昭和47年 6月、改造なし、昭和53年〜昭和63年、MV-PP5、
エンゼル5号、昭和50年 4月、昭和57年 2月、昭和57年〜平成14年、MV-PP5、
ほびー6号、昭和49年10月、昭和62年10月、昭和62年〜現在活躍中、MV-PP5、
ドリームアクアマリン、平成 2年 3月、改造なし、平成 2年〜現在活躍中、MV-PP10、
ドリームエメラルド、平成 3年 3月、改造なし、平成 3年〜現在活躍中、MV-PP10、
ドリームルビー、平成 7年10月、改造なし、平成 7年〜現在活躍中、MV-PP10、
ドリームサファイア、平成14年 4月、改造なし、平成14年〜現在活躍中、MV-PP10、
ホバークラフト MV-PP15 しぐなす 模型
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また、海上自衛隊でも、LCAC(エルキャック)として、輸送艦に搭載されている、エアクッション型輸送艇が使用されている。
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⇒ 輸送艦 LST4001 おおすみ 型 搭載 LCAC
LCAC 機関配置
片舷に、リフトファン用2基、発電機、推進軸用2基が直列に配置され、軸はクラッチを経由して直結されている。
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LCAC ランディング
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小型ホバークラフト (全日本ホバークラフト協会)
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石垣 ウォータージェット
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⇒ ジェットフォイル
⇒ ホーバークラフト / エアクッション艇
⇒ SES 表面効果船
新規作成日:2003年2月7日/最終更新日:2009年9月2日